こんにちは、ファイナンシャルプランナーのぺーさんです。
「3,000万円で2世帯住宅」をテーマに家づくりブログをしています。
最近TiktokやYoutubeなどの広告で、
『火災保険申請サポート業者』の広告をよく見るようになりました。
お笑い芸人や役者さんなど芸能人も『広告塔』として使われていて
『なんとなく印象がよい』と感じるのではないでしょうか?
一方で保険会社のイメージはいかがでしょうか。
申請しても保険金が下りなかったらどうしよう?
どうせ保険金は払い渋るんだろう?
不払い・払い渋りなど負のイメージが付きまといますよね。
そんな心の弱みに付け込まれていませんか?
慎重に選んだ火災保険も、
使い方を間違えるだけで大きな不利益を被ります。
家づくりをしていない方でも火災保険には入っていますよね。
高い掛金を払っているし、
「保険金が支払われますので申請しませんか?」
その勧誘には絶対乗らないでください!
保障業界で査定業務担当者経験を持つファイナンシャルプランナーのぺーさんが
心の底から皆さんに伝えたい内容を書きます。
まとめだけでも為になると思います。
忙しい方はまとめをご覧ください。
この記事はどんな方に向いている?
・火災保険請求でお困りの方
・『火災保険申請サポート業者』を使う予定の方
・火災保険についてよく知り、賢く保険金と付き合いたい方
・火災保険で『お金が儲けられるかも』と心が誘惑されている方
火災保険は何故必要か?
火災保険が必要な根拠は民法に有!
そもそも火災保険は何故加入するのでしょうか?
民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
明治32年法律第40号 民法抜粋
日本の現行法で「失火責任法」と呼ばれる法律を民法から抜粋をしました。
意味を分かりやすく口語文に変換すると、
「民法第709条は失火(火災)の場合該当しない。
但し、失火者の重大な過失がある場合はその限りでない。」
では、民法第709条とは何かというと、
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法709条より抜粋
つまり、火事の場合、
隣家の家を出火元とした火が自家に損害を与えても、出火元の人はあなたの家を直す義務はない
という意味です。
いくら隣のお家からの飛び火でご自分の家が燃えてしまったとしても、
法律上、損害賠償請求権がないということになります。
つまり、自分の家は自分で守るんだ、ということが基本になってきます。
だからこそ、火災保険ってとても重要ですよね?
『あなたがしっかりしていない』と言っているわけじゃないんです。
でも、隣の家が『あなたと同じくらい火災に注意している』とは限らないですよね?
増加する自然災害
損害保険料算出機構の2021年度統計を見ると、
自然災害による保険金支払が増加していることが分かります。
そう、火災保険に加入するもう一つの理由。
それは地球上の気候変動による自然災害の増加です。
火災保険には本来の「火災」による損害保障という性格と、
もう一つは自然災害に対する保障という2つ目の性格があります。
これは各社・各団体の努力によってついている付加価値ですよね。
もしかしたら火災の保障よりも、自然災害の保障をメインで考えている方もいるかもしれません。
リスクが増大している自然環境を鑑みれば、
火災保険が『必須であること』
それは間違いないことなのです。
- 火災による損害は「保険」や「共済」以外保障されない
- 自然災害リスクに対して火災保険のニーズが高まっている
コラム:自然災害の公的保障 被災者生活再建支援制度
「被災者生活再建支援制度」とは、
災害により居住する住宅が全壊するなど、生活に被害を受けた世帯に対して支援金を給付する制度
のことです。
具体的には、生活の再建を目的として、
最大300万円~最小25万円まで受給できる制度です。
10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村等に対して、
- 住宅が「全壊」した世帯
- 住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
- 災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
- 住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯)
- 住宅が半壊し、相当規模の補修を行わなければ居住することが困難な世帯(中規模半壊世帯)
に該当する方が受給対象です。
国の制度なので保険金額を決める際には国のHPしっかりと確認するようにしましょう。
もし『分かりにくい』『自分で調べても分からない』
そういうときは『必ず知っている人に聞く』ようにしましょう。
もちろん、ファイナンシャルプランナーのぺーさんに聞いてもらっても大丈夫です。
Twitterをフォローの上、DMをください。
また、法律では保険の比較販売は禁止されています。
比較するには自分で並べてみなくてはなりません。
下記のようなサービスを利用するのもいいかも知れません。
『火災保険申請サポート業者』とは?
では、『火災保険申請サポート業者』とはどんな存在でしょうか?
簡単に説明すると、
火災保険申請を『サポート』もしくは『申請代行』をして、
支払われた保険金から手数料として報酬受け取る商売をしている会社です。
手数料は支払われた保険金の30%程がよく見られ、
その手数料を売上として運営されています。
イメージを画像1で確認してください。
『火災保険申請サポート業者』を利用する場合は、
① 依頼 :あなたが『火災保険申請サポート業者』に調査を依頼します。
② 調査 :『火災保険申請サポート業者』はあなたの家の損害調査を行います。
③ 請求 :『火災保険申請サポート業者』はあなたが掛けている保険会社へ請求を行います。
④ 保険金支払:保障内の損害と認定されれば保険金が支払われます。
※ 『火災保険申請サポート業者』は業界で悪名が轟いているため、保険会社は独自に損害調査を行う場合が多いです。但し、保険会社は諦めているケースも多々あります。
⑤ 手数料支払:支払われた「保険金」の一部を火災保険申請代行業者へ手数料として支払います。
⑥ 工事 :あなたは一部を失った保険金で工事を依頼して、自己負担金を支払います。
という流れになります。
実際に修理を行うときはどうなるかというと、
『火災保険申請サポート業者』は工事をしてくれず、
別の修理業者に損害調査をしてもらい見積書を作ってもらう必要があることが多いです。
であれば、『火災保険申請サポート業者』役割は何になるのでしょうか?
ここで皆さん自信が考え疑問に思わなければなりません。
一般的な保険金請求の流れ
くどいようですがここでは、
自然災害などで損害を負った場合の一般的な保険請求の流れを見ましょう。
文章を読みたくない方は、画像2を確認してください。
① 請求:被保険者から保険会社へ損害の連絡をします。
② 見積:業者から損害箇所を見てもらい必要な見積を出してもらいます。
③ 保険金支払:場合に応じて、保険会社は調査を行い、保険金を支払います。
④ 支払:業者へ発注し、修繕をしてもらい、費用を保険金から支払います。
この場合は、保険契約が全額保障であった場合は、自己資金は必要ありません。
保険請求をしなくても修理をするのなら『業者に見積もりをお願いするのは当然』です。
保険請求といっても、特別なことは必要ありません。
『火災保険申請サポート業者』を使わなくても、
修理業者さんが自宅を調べて修繕に必要な見積もりを出してくれます。
わざわざ、費用のかかる『火災申請サポート業者』にお願いする必要はありません。
ちなみに、大手のホームセンターさんに相談すると修理業者さんを紹介してくれますよ!
コラム:修理業者へ依頼する事を申し訳なく思うあなたへ
保険請求する際によく聞く言葉があります。
特に人の良いお客さんに多いのですが、
のAさん
保険請求したいけど、出るか分からないのに修理業者さんに家を診てもらうの何だか不憫。
どうしたらいいか分からないわ。
だったら、手数料がかかっても火災保険申請サポート業者にお願いしようかしら?
という考えを持つ方を見かけることがあります。
そこまでいかなくても負目を感じる方がいることは事実です。
ただ決して負目を感じる必要はありません。
そもそも修繕をする際には修理業者さんに調査してもらう必要があります。
また、保険金が支払われないからといって、
あなたが気になっている損害箇所があることは事実です。
そこは当然、修理業者さんに診てもらいましょう。
スーパーで野菜を買ったりする場合金額は決まっていますよね。
家の修繕は住宅というものはありますが言わば修繕という無形のサービスと考えてもいいと思います。
その状況によってかかる修繕費用は千差万別。
だからこそ、「調査をし、見積をあなたに提出し、契約を行う」ことが当然なのです。
火災保険申請代行業者をやめておくべき理由3選
1 支払われた保険金は全額あなたのもの
『あなたが保障のために掛金を払います』
『損害が発生したら保険金を受け取ります』
「保険金」はあなたのものです
保険金から報酬金(手数料)を差し引いたら、修理の際に本来発生しない
「自己負担額」が発生します
何故ならば修復費用として使うための保険金から、
それとは関係のない報酬金(手数料)を払うんですから当然です。
『火災保険金申請サポート業者』を使うことで、
「保険金」の一部があなたものではなくなっていますよ?
お前の保険金は俺の物!
ジャイアンや泥棒と同じです。
コラム:保険金は何に使っても良い?
「支払われた保険金の用途は何に使っても良い」
という謳い文句をよく見ますが要注意です。
答えとしては「契約による」という答えが正しいでしょう。
自然災害の保障では多くの保険や共済が、
「保険金が支払われたのに修理しない場合」
の対応を契約事項に記載しています。
最悪の場合、
「未修理箇所があった場合次回請求を受け付けない。」
という保障もありますのでお気を付けください。
どうして保険会社はそのような対応を取るのかは下記記事にまとめた箇所があります。
広告記事ではありますが、是非該当箇所を読んでみてください。
2 進むも地獄、引くも地獄
職業がら何度も『火災保険申請サポート業者』を使って苦しむ人を見てきました。
一度お願いすると、
『キャンセルしても地獄』
『保険金が支払われても地獄』
まずは事例紹介をします。
事例1
Aさんは元々、風害で屋根に損害があり、保険金の請求を検討していました。
『火災保険申請サポート業者』のおかげで保険会社からあなたに100万円の保険金を支払われましたが、
手数料として、『火災保険申請サポート業者』に30万円を支払いました。
結局、屋根の修繕はAさんの自己負担30万円と残りの保険金70万円で屋根の修繕を行いました。
実例2
Bさんは雪害で、雨樋に損害があり、保険金の請求をしました。
『火災保険申請サポート業者』に実際の工事を依頼したら、
「うちでは工事はしていない」といわれました。
「工事が出来ないなら」とキャンセルを申し出たところ、
見積額30%をキャンセル料を払えと言われました。
『火災保険申請サポート業者』ではこのように、
『保険金が支払われた際は成功報酬として手数料支払い』
『キャンセルした場合はキャンセル料支払い』
をそれぞれ要求します。
『火災保険申請サポート業者』の契約書はしっかりしているものが多いのが事実です。
契約書を楯に成功報酬やキャンセル料を請求されますので、
あなたに逃れる術はありません。
基本的に途中解約であってもキャンセル料が請求される契約になっています。
ちなみにクーリングオフ制度は自身の意思での契約には効果はありません。
3 保険金請求は難しくない
『保険金請求は難しくないのです』
では保険金請求で困ったときはどうすればよろしいでしょうか?
- まずは、保険会社へ相談!
理由を説明すれば、現場確認対応をしてくれます。
自分で請求して、もし対象外と言われたら不安で・・・
安心してください。
- 保険会社が対象外と言ったものは、誰が請求しようと保障対象外のものです。
『火災保険申請サポート業者』に頼んだところで結果は変わりません。
また、修理業者さんに依頼するのもよいと思います。
出来る限り、地場の業者さんに依頼しましょう。
各社それぞれ請求のし易さもサービス向上のため積極的に取り組んでいます。
損保ジャパンのHPを見るとLINEで保険請求ができるようです。
消費生活センターの情報を確認しよう
ネットの情報などを見てると情報の真偽が分からなくなりますよね。
そういう場合は、公的機関の情報を確認しましょう。
消費生活センターや消費者庁です。
ぺーさんも職務上『火災保険申請サポート業者』によって困っている方がいる場合、必ず消費生活センターを紹介します。
ただし、ぺーさんから相談を依頼したときにはどうしようもない場合が多いです。
出来るだけ早く!各自治体の消費生活センターに相談してください。
消費者庁では令和2年に悪質な火災保険申請サポート業者に行政指導を行っています。
近年、地震、台風、豪雨、大雪等の大きな自然災害が発生すると、これらに便乗して、住宅の修繕費用の補償に係る保険金の申請代行や当該修繕についての勧誘に際し、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」といいます。)に違反する悪質な勧誘を行う事例が度々発生する傾向にあります。
保険金申請代行業務や住宅修繕を行う5事業者に対する行政指導について (caa.go.jp)
また、一般社団法人「日本損害保険協会」は国の機関である「国民生活センター」
と協力して上記のような注意分を出しています。
引用:「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう! (kokusen.go.jp)
国としても問題だと考えている証拠です。
コラム:怪しい業者の見極め方
保障査定業務をしていると怪しい見積書をよく見ます。
また、損害がないのにあるという申告をしたり、
業者自体が損害を捏造するケースも見受けられます。
怪しい業者が良く使う手法をまとめました。
一つでも該当する場合は注意して契約を進めてください。
- アポ無で自宅訪問してきて「損害があるので修復しませんか?」と勧誘
- 県外業者(移動費がかかるため業者にとってはマイナス。拠点周辺で仕事が出来ない理由がある可能性)
- 業者所在地がアパートの一室や戸建てなどの通常民家で社屋がない
- 修理一式などという不明瞭な見積書を出す
- 手数料が修理費全体の20%超える
- 保険会社の損害調査に断っても同行しようとする
- 依頼者要望外の修繕を見積書に入れてくる
まとめ:これだけは知ってほしい!
- 『火災保険申請サポート業者』とは、保険金請求をサポートまたは代行による手数料収入を得る会社
- 『火災保険申請サポート業者』を使わなくても損害があれば保険金は受け取れる
- 保険金請求に困ったら、まずお近くの修理業者、もしくは、保険会社に相談
- 大手のホームセンターも修理対応している
- 怪しい業者だと思ったら契約前に、消費生活センターへ相談する
- 契約後は、出来るだけ早く消費生活センターへ相談する
- TiktokやYoutubeなどのSNSを利用して保険請求を促す業者へは絶対依頼しない
補足説明が必要な方はコメントで対応可能です。
最後に
様々なブログや情報サイトで、
『火災保険申請サポート業者』のメリット・デメリットまとめている方がいますが、
被保険者の立場に立てばデメリットしかありません。
絶対に火災保険申請代行業者は使わないでください。
尚、本サイトは個別の業者について言及しておりませんが、
個別の相談なども対応可能です。
お気軽にご連絡ください。
また、保険会社が未払いなどの多くの問題を抱えていたは過去の事実です。
そこは真摯に反省して欲しいと思います。
ただし、
金融庁などの行政指導
コンプライアンスの重視など
業界全体の改革はかなり進んでいます。
過去のイメージで保険会社を敵と決めつけず、
保険会社を仲間にすることで保険請求を円滑に進めましょう。
また保険会社体制がどうしても気に入らない方は、
各共済団体の保障を利用するのもいい手だと思います。
- 国民共済 住まいる共済
- JA共済 建物共済むてきプラス 保障範囲が充実。掛金高
- coop共済 coop火災共済
- 県民共済 新型火災共済 自然災害の保障額が少ないが、掛金リーズナブル
痒い所に手が届かない可能性はありますがリーズナブルで保障内容がよく、
共済団体は営業目的ではないので支払いぶりもいいです。
翻って『火災保険申請サポート業者』のやり口を見ると
他人が掛けていた保険から手数料をしょっ引くというやり口
他人のふんどしで相撲を取っているのです。
あまりにも不誠実な商売形態です。
ぺーさんはそれを許すことができません。
以上とりなります。
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