こんにちは、ファイナンシャルプランナーのぺーさんです。
土地探しをしていると必ずぶつかるのが、建築条件付き土地(売建住宅)です。
ぺーさんも家づくり中にやっと見つけた『素敵な土地だなぁ』と思った物件が、
建築条件付きの土地ですごく悔しい思いを何度もしました。
土地は良いのに『自分の希望しないハウスメーカーや工務店で建築するなんて耐えられない』ですよね。
全国規模の大手ハウスメーカーは潤沢な分譲地を持っています。
しかし、皆さんが大手ハウスメーカーで建築したいわけではない。
『大手ハウスメーカーでは建築したくない』
『地元のこだわりを強く持った工務店で家づくりをしたい!』
ポジティブ理由だってはたまたネガディブ理由だって関係なくそういう想いの人は多くいるはずです。
ただし、ぶつかるのは大きすぎる壁。
それは土地探しという大きなハードルです。
(壁かハードルかはっきりして欲しいものですね!)
土地は妥協したくない!
ハスメーカーや工務店も妥協したくない!
それは我儘ではありません。
ぺーさんも妥協したくなかった、施主の一人です。
『建築条件付き土地の条件は外すことができます。』
しかし、基本的には難しいです。
そこで、実際に建築条件付き土地の条件を外すことができた筆者ぺーさんが、
外すための条件と外す方法をお教えします。
ファイナンシャルプランナーのぺーさんの家づくりの記事も見ていってくださいね!
・現在家づくり中で土地探しをしている方
・『建築条件付土地(売建住宅』の購入を検討している方
・『建築条件付土地(売建住宅』の建築条件を実際に外すことができた事例を知りたい方
・『建築条件付土地(売建住宅』の建築条件を外す交渉のコツを知りたい方
建築条件付き土地(売建住宅)とは?
建築条件付土地取引(けんちくじょうけんつきとちとりひき)とは、所有する土地を販売するに当たり、土地購入者との間において、指定する建設業者との間に、土地に建築する建物について一定期間内に建築請負契約が成立することを条件として売買される土地の建築請負契約の相手方となる者を制限しない場合を含む取引である。
建築条件付土地取引 – Wikipedia
建築条件付き土地(売建住宅)とは何かをまずはおさらいしましょう。
wikipediaでは上記のように書かれています。
もう少し分かりやすく説明すると、
『その土地で建てられる建築会社はA社で決まっていますが、土地を購入しますか?』
という意味になります。
こちらは『LIFULL HOME’S』から適当な土地情報を検索したものです。
静かで穏やかそうな分譲地のようですね。
中身を見てみると、価格、交通、場所、土地面積と同じように建築条件が『付』と記載があります。
この物件情報を見ても、どこの建築会社で建築をしなければいけないか記載がありませんでした。
建築条件付き土地は違法?
建築条件付き土地の説明だけ聞くと、まず思うこと。
これって違法じゃないの?
私は建築条件付き土地というものを知ったとき、
以前テレビで見かけた抱き合わせ商法を思い出しました。
人気のドラクエに不人気のソフトを抱き合わせるという、
大人の理不尽さを感じる商法のアレです。
最近の例で言うとコロナ化でのマスク以外の商品を購入しなければマスクを購入できない、
といった例があります。
話を聞いたときに感じる
『うわあ、卑怯だなぁ』
という驚きっていったらありませんでした。
では、建築条件付き土地(売建住宅)は違法なんでしょうか?
実は2023年時点では、独占禁止法に抵触しない、つまり違法ではないと判断されています。
それには業界が示している3つのルールがあるからです。
建築条件付き土地(売建住宅)の3つのルール
・3ヶ月程度で建築契約を結ぶことを条件とする。
建築条件付土地取引 – Wikipedia
・建築請負契約が締結できなかった場合、土地に対する手数料も含め一切の預り金を返還する。(停止条件)
・建築を請け負う業者は土地の売主(その子会社を含む)又はその代理人でなくてはいけない。
簡単に要約すると、
『3か月以内に指定の建築会社と建築プランを相談してください。もし建築プランに納得いかなければ、手付金などは依頼主にお返しします。また、工事を全く関係のない業者に委託することで、紹介手数料を稼ぐような行為はしません』
という意味になります。
納得がいかない!そんなあなたにアドバイス
いくら聞いても、大人の理不尽さを感じる商法であることは間違いないですよね。
それでも合法である以上仕方がないことです。
土地探しは正直、自分で探すのは大変。
休日の度に物件情報サイトを探していた日々を思い出します。
結局、そんなサイトで我が家の土地は見つかりませんでした。
不動産屋さんに相談しても力不足だし、何社もお願いするのは大変。
後程、我が家が購入することになる土地の探した方法をご紹介する予定です。
しかし、先にお伝えすると『街ブラ散歩』でした(笑)
でもそんなことは非効率的だし、もし見つけられたとしても、ただ運が良いだけですよね。
そういう場合は『タウンライフ家づくり』の土地探しサポートを利用しましょう。
各社が持っている土地情報からあなたの希望に合わせた土地を紹介してくれます。
土地探しで重要な2点は『情報量』と『スピード』です。
個人では『情報量』と『スピード』の両方が足りません。
1件の不動産屋は『情報量』が足りません。
だからこそ、複数の住宅メーカーや不動産屋から情報を取得するサービスを利用すベきなんです。
大変な土地探しから抜け出せるようにサポートさせてください。
何故、建築会社は建築条件付き土地(売建住宅)という手法を使う?
何故、建築会社は建築条件付き土地(売建住宅)という不名誉な手法を使うのでしょうか?
大雑把に言えばそれは『利益のため』です。
さて、本当に『建築条件付き土地(売建住宅)は利益が出る』のでしょうか?
建築条件がついている土地は、駅近であったりと人気のエリアによく見られます。
同じエリアの建築条件がついていない土地よりも、土地の金額は大幅に安いことが多いです。
人気エリアで、土地が安いなら、ハウスメーカーや工務店さえ我慢できれば、
とてもリーズナブルに家が建てられるのね!
ちょっと待って!
『土地代が安い』からと言って
『総額が安い』とは限らないんです!
上の表のように、建築条件付土地(売建住宅)の方が
あなたの『建築総額が高くなる場合』があるんです。
上の図で少し分かりにくければ、下の不等号表も併せて確認してみてください。
建築条件の有無で比較していきます。
種目 | 不等号 | ||
建築費用 | 建築上無 | < | 建築条件有 |
設計費用 | 建築条件無 | > | 建築条件有 |
土地費用 | 建築条件無 | < | 建築条件有 |
総額 | 建築条件無 | < | 建築条件有 |
利益 | 建築条件無 | < | 建築条件有 |
という関係が成立することが多いです。
もちろん、各会社の設定している利益率によって大きく変わってきますので、一概にいうことはできません。
ここでお伝えしたいこと、そして、理解していただきたいことは、
建築条件付土地(売建住宅)は『見た目上、土地代が安くなっていることがとても多い』ということです。
ハウスメーカーや工務店の立場に立って考えてみますね。
『土地は本来は高額だけど、人気エリアで破格の値段で出して集客をしよう』
↓
『土地代は赤字なので、その分、建築費を高く設定しよう。
土地が人気なのでどうしてもこの土地が欲しいというお客様がたくさんいる。』
↓
『設計費用を安くするため初めから建築プランを作っておき、そのプランに納得できる人に契約してもらう。それでも買おうという人がいます。何故なら土地が貴重だからです。
これで設計費や人件費が抑えられます。』
↓
『土地は安く売ったけど、建築費用は大幅に高くすることで総額を高くできました。なおかつ、設計費が抑えられて、結果的に利益をたくさん出すことが出来ます。
これだから、建築条件付き土地はやめれない!』
『建築条件付き土地(売建住宅』は簡単に言えば、このように『土地の貴重性や人気を利用することで、利益を最大化する方法』と言い換えることが出来ます。
ここで家を建てたいと思っているあなたにとって難しくさせているポイントは、
建築条件のために建築費用が妥当であるかどうかの比較検討が出来ない
という点です。
体験談:建築条件付き土地の外してもらった
ぺーさんが実際に交渉してみた
ここからはぺーさんが実際に建築条件付土地の
建築条件を外してもらった体験談をご紹介します。
ファイナンシャルプランナーのぺーさんも、家づくりをしました。
ぺーさんの住む地域はとある地方圏の県庁所在地でした。
大都市圏ではないので、土地は余っているのかな、と思いきや、
農業などが基盤になっている地域では、『市街化調整区域』の設定かなーり厳しいんです。
『市街化調整区域』とは過度な市街化を抑制して、景観や農地、既存の市街を守るための制度です。
『市街化調整区域』が緩和されて販売されている土地や分譲地は、ほとんどが建築条件付土地です。
有名なハウスメーカーや財力を持っている工務店が根こそぎ購入していまい、
購入できる土地は少ないにも関わらず、建築条件がほぼついており、
ぺーさんのようにハウスメーカーを決めている人にとっては、
購入できる土地がないと、という状況でした。
そこでぺーさんは思いつきました。
そうだ!建築条件を外してもらえばいいんだ!
ぺーさんと同じ状況になって困っている人や妥協してしまった人もいるのではないでしょうか?
思いついても中々行動に移すのはきついものです。
相手は不動産関係の相手。『高圧的だったり、ひどく断られたりしたらどうしよう?』
そんな悩みもありましたが、ここは1歩進んで殻を破るとき!
土地情報を載せている不動産屋から建築会社を聞き出して、
実際に『ぺーさん』自身で交渉してみました。
結果は・・・
全敗!
想像通り、かなーり×10乗くらいきつく対応されました。
二度と連絡したくないくらいの言い方をされたこともあります。
『いつかぺーさんがあなたのお客さんになるかも知れない』
なんて想像しないのかな?
なんて思いつつ、今でもCMを見ると不愉快に思う会社がいくつも出来ちゃいました・・・
嫌な思いをしたお陰で気づいたヒント
実際に自分で交渉した結果はこんな感じ。
・ 大手ハウスメーカーは門前払い
・ 地元ハウスメーカーは話は聞いてくれたけど、拒否
・ 地域の有名工務店も話は聞いてくれたけど、拒否
・ 地域無名工務店は電話も出ないし、メールフォールで問い合わせても返信無で虚無。
事務所にいっても人がいない。
事実ではなくぺーさんの所感でまとめてみるとこんな感じ。
・ 大手ハウスメーカーは『ありえない』『電話してくんな』『この素人が』
・ 地元ハウスメーカーは『気持ちは分かるけど無理』『この素人が』
・ 地域有名工務店は『検討することは出来るけど難しい・・・(無理)』『この素人が』
・ 地域無名工務店『・・・(虚無)』
冷静にこの結果を見てみると、ぺーさんは何かヒントがあるように見えてきました。
待てよ・・・。何か見えてきた気がする。
自分で交渉してみると、嫌な思いの中にもヒントが見つかるもの。
ぺーさんはただ土地が欲しいだけでしたが、ここは一度立ち止まるのが重要。
『敵を知れば百選危うからず』ではありませんが、『建築条件付土地(売建住宅)』に調べなおしてみました。
ぺーさんの担当営業さんを味方に
実はこの建築条件付土地がいいな、と思ってます。
担当営業さん、建築条件を外してくれるように交渉していただけませんか?
まずぺーさんは、ぺーさん自身で交渉するのではなく、
建築予定のハウスメーカーの担当営業さんに交渉を依頼しました。
当然、土地金額に建築条件付外しのための金額を上乗せして大丈夫です。
断られるかな・・・。なんて少し不安でした。
自分で交渉したときはどの会社に連絡しても、
『そんなの無理無理!素人が電話してくんな!』
という感じだったので、かなり不安だったのです。
しかし、思ったような反応ではなく、担当営業さんは快諾してくれました。
営業担当
分かりました!早速連絡してみますね!
ただ相手は建築条件外しのために、金額をかなり吹っ掛けてくると思います。
そこの金額は業界的にも決まりはありません。
建築条件外し金も交渉しますが、数10万円で済まないかもしれません。
ちなみに交渉相手に選んだ『建築条件付き土地』は、電話も事務所にいっても誰もいない、
『地域の無名工務店』でした。
交渉の結果・・・
交渉依頼をしてしばらく経ったとある日に、営業担当さんから暗い声で電話がかかってきました。
営業担当
実は建築条件付土地の建築条件破棄の交渉成功しました。
!?
すごいですね!ありがとうございます。
でも元気がないようですが、何かありましたか?
営業担当
案の定、建築条件解除金をかなり吹っ掛けれまして。
条件として土地代とは別途『100万円』上乗せなら大丈夫と言われています。
どうされますか?
当然、ぺーさんは土地を購入することに決めました。
建築条件付きを外してもらう方法と2つのコツ
さて、ここまでは
・『建築条件付土地(売建住宅)』とはどういうものか?
・『建築条件付土地(売建住宅)』を使用する建築会社としての立場
・ぺーさんの成功例
をご紹介してきました。
建築条件を外してもらおうとしても、『100%外してもらえる方法はありません』
しかし、『100%外してもらえない』わけではないのです。
そこで、建築条件を外すことができる可能性を大きく高められる2つのコツをご紹介します。
1つ目のコツ:交渉は自分でしない
『絶対に自分では交渉しない!』
『自分の建築予定の建築会社の営業担当さんに交渉してもらう!』
土地がなければ家は建てれません。
そんな状況では営業担当さんは同じゴールを見据えた強力なパートナー。
営業担当さんにもよりますが、かなり精力的に交渉をしてくれます。
また、これはぺーさんの所感なので不正確な部分もありますが、
不動産業界の『素人とは規格外の交渉はしません』という雰囲気を交渉中にひどく感じました。
土地取引は、宅地建物取引業としての専売事業。
そのため、閉塞的な雰囲気があります。
だからこそ、交渉相手は同じ業界の戦士、営業担当さんを頼りましょう。
もしまだハウスメーカーが決まっていなかったり、
営業担当さんが前向きではない場合は、『タウンライフ家づくり』の土地探しサポートを利用しましょう。
かなり強力なツールになりますよ!
2つ目のコツ:利益率の低いハウスメーカーもしくは工務店を交渉先に選ぶ
大手ハウスメーカーの利益率はどのくらいかご存じですか?
ハウスメーカーは35%ほどと言われていますが、
ブランド力がとても高いハウスメーカーでは50%を超える場合もあります。
一方でローコストメーカーや工務店は約25%とも言われています。
さて、『建築条件付土地』をハウスメーカーが売ってもよいと判断するための、
必須条件はなんでしょうか?
当然、『利益が出ること』ですよね。
前段でご説明したとおり、『建築条件付土地』の価格設定は安価です。
つまり、そのまま『売ってください』といったところで、売ってくれるはずはありません。
そこで必要なのが、土地代に上乗せして払う建築条件外しのためのお金になってきます。
ただし、大手ハウスメーカーの利益率はかなり高いため、
もしも売ってくれたとしても、追加としてかなりの金額が上乗せされるでしょう。
そう考えると、交渉成功確率は、
利益率の低い相手巡、つまり、『無名の工務店』が一番成功確率が高く、
尚且つ、コストを抑えらる可能性が高い、と言えるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
何故、『建築条件を外してもらう2つのコツ』が重要かを理解していただけたでしょうか?
何事も相手の立場がどうなっているか、が大事になってきます。
それを考えず、ただ交渉していても時間の無駄ですし、
気づかないうちに面倒な客になっていることがあります。
ぺーさんは建築条件を外してもらったことで、理想的な家づくりをすることが出来ました。
皆さんも是非、参考にしてみてください。
皆さんの土地探しが、妥協がなく、希望通りに進むことを祈っております。
・ 建築条件は外すことができる
・ 大手ハウスメーカーは基本的に難しい。
・ 狙うべきは、中規模以下のハウスメーカー、もしくは、工務店の『建築条件付土地』
・ 土地代+条件外し金が必ず必要
・ 交渉は自分ではしない
・ 出来るだけ費用を抑えたいなら、工務店の『建築条件付土地』を狙う
FPぺーさんのアドバイス:建築条件付きを購入する場合の注意点
以前ご紹介したとおり、建築条件付き土地の業界ルールとして、
『3か月以内に指定の建築会社と建築プランを相談してください。もし建築プランに納得いかなければ、手付金などは依頼主にお返しします。また、工事を全く関係のない業者に委託することで、紹介手数料を稼ぐような行為はしません』
という3つのルールを宣言しています。
もしも、3つのルールに抵触するような取引に遭遇してしまった場合は、
いくら欲しい土地であったとしても辞退するようにしてください。
もしも、トラブルになった場合は、各自治体の消費生活センターにご相談を!
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